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                     ありがとうございます。 
私は現在、清流寺の羽村別院で御奉公をさせて頂いて居ります。 
  
                    この別院で10年以上、日堯上人の御給仕をさせていただきましたが、いつの 
                    時も穏やかでいらっしゃいました。 
                    折にふれ「私はおうち大好き人間なんです。」とよくお話されて居られたのが 
                    印象的でした。その都度、きっと温かくて居心地の良い御家庭なんだなぁと 
                    思っておりました。 
 
毎年6月16日、御総講や甲御講で別院にお見えになると必ず、 
                    「今日は私の誕生日なんですよ。もう○才になってしまいました。早いもので 
                    すねぇ。」と言われたものでした。 
                    お祝いのお言葉をおかけしようと気を窺っておりましたが、いつも叶わず、今 
                    度こそ、次こそは、「おめでとうございます。」と申し上げるつもりでおりました 
                    が、遂にそれも叶わなくなってしまいました。 
 
 又、日堯上人はお若い頃のお話もよくして下さいました。 
                    沼津の御用邸の海水浴場で宮様に水泳を教えられたこと。由里子奥様との 
                    馴れ初めのほほえましいエピソードなどなど。それもこれも、長年御給仕御奉 
                    公をさせていただいた果報と喜んでおります 
 
                    不行届きのことだらけの御奉公でございましたが、その間、一度として語気を 
                    荒げられたことはありませんでした。只々感謝しかございません。 
 
                    お亡くなりになられる年の8月、別院での甲の御講よりお帰りの際、いつものよ 
                    うに「あらよっと」とかけ声をかけお車にお乗りになられました。この2ヵ月後に 
                    御遷化になるなど夢にも思わない、本当にいつもの御導師でした。 
 
                    この時が、私にとりましては別院での最後の御給仕御奉公、そして御導師の 
                    最後のお声となってしまいました。もっと色々な事を聞かせていただきたかっ 
                    たと残念で、そして寂しくてなりません。 
 
 日堯上人、長い間本当にありがとうございました。 
                     
                     
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